身体拘束適性化のための指針
投稿日:2023.03.07
社会福祉法人笠間市社会福祉協議会
身体拘束適性化のための指針
1 身体拘束等の適性化に関する基本的な考え方
(1)理念
①身体拘束は利用者の生活の自由を制限することで、重大な影響を与える可能性があります。社会福祉法人笠間市社会福祉協議会(以下「本会」という。)では、利用者の尊厳に基づき、安心・安全が確保されるように事業を運営します。よって身体的・精神的に影響を招く恐れのある身体拘束は、緊急やむを得ない場合を除き、原則として実施しません。
②身体拘束に該当する行為として、以下のような行為が該当すると考えられます。
・車いすやベッド等に縛り付ける。 ・手指の機能を制限するために、ミトン型の手袋を付ける。 ・行動を制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。 ・支援者が自分の体で利用者を押さえ付け、行動を制限する。 ・行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。 ・自分の意志で開けることのできない居室等に隔離する。 |
③目指すべき目標
3要件(切迫性、非代替性、一時性)の全てに該当すると身体拘束適性化検討委員会において判断された場合、本人・家族への説明・確認を得て拘束を実施する場合もありますが、その場合も本人の態様や介護の見直し等により、拘束の解除に向けて取り組みます。
(2)方針
次の取り組みをとおして、身体拘束の必要性を除くよう努めます。
①利用者の理解と基本的なケアの向上により身体拘束リスクを除きます。
利用者一人ひとりの特徴を日々の状況から十分に理解し、身体拘束を誘発するリスクを検討し、そのリスクを除くため対策を実施します。
②責任ある立場の職員が、率先して事業所全体の資質向上に努めます。
管理者・サービス提供責任者等が、率先して事業所内外の研修に参加するなど、事業所全体の知識・技能水準が向上する仕組みをつくります。
2 身体拘束等適性化のための体制
(1)身体拘束適性化検討委員会の設置及び開催
身体拘束適性化を目指すための取り組み等の確認・改善を検討するため、身体拘束適性化検討委員会を設置します。
なお、身体拘束適性化検討委員会は、虐待防止委員会と一体的に設置、運営します。
(2)委員の構成
虐待防止委員会の委員が兼務します。
(3)委員の役割
招集者:委員長が招集します。
記録者:委員長が指名します。
(4)委員会の検討項目
①前回の振り返り
②3要件(切迫性、非代替性、一時性)の再確認
③身体拘束が必要な場合、3要件の該当状況、特に代替案について検討します。
④意識啓発や予防策等必要な事項の確認・見直し
⑤今後の予定(研修、次回委員会の日程等)
⑥今回の議論のまとめ
(5)記録及び周知
委員会での検討内容を記録し、これを適切に保管するほか、委員会の結果について、職員に周知します。
3 身体拘束等適性化のための研修
身体拘束等適性化のため、職員に対して新規採用時のほか、年1回以上、研修を実施します。
研修の実施にあたっては、実施記録(日時、参加者、内容等)を作成します。
4 やむを得ず身体拘束を行わざるを得ない場合の対応
(1)3要件の確認
①切迫性(利用者本人または他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと)
②非代替性(身体拘束を行う以外に代替する介護方法がないこと
③一時性(身体拘束が一時的なものであること)
(2)要件合致の確認
利用者の態様を踏まえ、身体拘束適性化検討委員会が必要性を判断した場合、限定した範囲で身体拘束を実施することとしますが、拘束の実施後も日々の態様等を参考にして、同委員会で再検討し解除に向けて取り組みます。
(3)記録等
緊急やむを得ず身体拘束を行わざるを得ない場合、次の項目について本人、家族等へ説明し書面で確認を得ます。
・拘束が必要となる理由(個別の状況)
・拘束の方法(場所、行為)
・拘束の時間帯及び時間
・特記すべき心身の状況
・拘束開始及び解除の予定(特に解除予定を記載します)
(「緊急やむを得ない身体拘束に関する説明書」)
5 身体拘束等に関する報告
緊急やむを得ない理由から身体拘束を実施する場合には、身体拘束の実施状況や利用者の日々の態様(時間や状況ごとの動作や様子等)を記録し、委員会で拘束解除に向けた確認(3要件の具体的な再検討)を行います。
6 本指針の閲覧
本指針は、利用者、ご家族や職員等がいつでも閲覧できるよう、本会ホームページ等に掲載します。
7 その他身体拘束等の適正化の推進のための基本方針
身体拘束等をしない、人権を尊重したサービスを提供するために、職員のすべてが身体拘束の禁止に対する共通認識をもち、拘束をなくするよう取り組みます。
令和5年2月27日制定